診療報酬の改定は、看護師としても知っておきたい内容がたくさんあります。ここでは、診療報酬改定がどのような狙いで実施されたかを見てみたいと思います。
健康寿命が延伸していき、男女とも平均寿命が高くなる傾向がある中、人生100年時代に即した社会を構築していく動きが加速しています。「全世代型社会保障」の実現に向け、行政も様々な取り組みへのガイドラインを打ち出しています。その考え方に連動した施策の一環として増えているのが、診療報酬の内容の改定です。
狙いとして、業務負担が著しい医師や看護師への働き方改革に伴う改定が挙げられます。各病院に対して、医師や看護師の長時間におよぶ労働環境改善のための取り組みを評価する改定が盛り込まれています。例えば、看護助手の増員に伴う加算の増加などは、改定における顕著な例といえるでしょう。
また、国民が身近な場所で安心、安全な医療行為を受けられるための取り組みも評価されることになりました。医療におけるICTの利活用や、かかりつけ機能の評価、治療と仕事の両立に資する取り組みなどへの推進に対しても、加算がとれる仕組みに改定されています。このことで、医療現場の業務改善や役割分担の見直しを狙って、質の高い医療を提供できる仕組みを目指しています。
その他に、地域包括ケアシステムの推進も改定における大事な骨子として挙げられています。また、効率化、適性化を通じた制度の安定性の向上も狙いの一つです。
診療報酬についての知識を深めておくことで、診療報酬改定後の看護師への影響を知ることができるでしょう。